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写真左 AW50(1992年)デザイナー:ディートリッヒ・ルブス
写
真右 AW12(2003年)デザイナー:ピーター ハートヴァイン
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ドイツのブランド、ブラウン社は、時計に限らず、電気シェーバー、オーディオ、コーヒーメーカー、電卓など、優れたプロダクデザインの宝庫です。
いかにも「デザインしました!」という感じのものはあまりなくて、シンプルなものが多いです。どんな環境でも邪魔にならないような外観がいいのです。
その ブラウン社はそもそも第一次世界大戦後のドイツに現れた美術学校『バウハウス』(1919〜1933
※ナチスドイツによって閉鎖)の思想を継承していると言われます。バウハウスは「芸術」と「技術」の融合に早くから着眼。デザインと機能性の共存を目指していました。バウハウスの思想に影響を受けているブラウン製品、なるほどなっとくのデザインなのです。
ブラウンのチーフデザイナーであるディーター・ラムスは『良いデザインとは、引き算のデザインから始まる』と明言。その言葉通
り、ブラウン製品にはムダを極力そぎ落とし、必要最低限の機能にとどめたものが多いです。シンプルなデザインのなかに、作り手のまっすぐな信念と普遍性ある造形美が宿っています。
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写真、
Braun AW21(1998年) デザイナー:ディートリッヒ・ルブス
妻の休日用のBraun時計です。このAW21、妻いわく、文字盤がミラーになっているので鏡代わりにも使えて便利なそうな。
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目覚まし時計もシンプルで使いやすいです。上の写
真は わが家で使っているBRAUN
AB5(1990年)の白と二代目の黒です。
デザイナーはディーター・ラムス。 |
自分の場合、好きなものを身近に感じていると、時間の経過が早くなるということがあるようです。充実感が増すということでしょうか。だからブラウンの時計を身につけたり身近に置いている時間は、なぜだか気分も良く、前向きモードになります(笑)。
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縦横およそ15cmほどの四角いカタログもいかにもBraunらしい印象。 |
針が時を刻むごとに確実に自分が「前進している」、「進歩している」という錯覚を引き起こすのです(笑)。
ところでブラウンの時計は、一般
的な時計屋さんにはほとんど置いてないのがミソです。取り扱いがあるのはデザイン系やインテリア系のショップであるような印象。
ブラウンの時計はまた、価格が手頃なものが多いのも嬉しいところ。ネットではときどき通
常の半値くらいの値段でも出回ることもあります。
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卓上時計のAB4A
デザイナー: ディートリッヒ・ルブス
目覚まし時計も含め、このクラスの製品はあるときから完全に中国生産にシフトしてしまったようです。かつては文字盤に刻印されていたMade
in Germanyの文字が消えました。 |
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とはいえ、2000年を少し過ぎたあたりから、腕時計などは日本にあまり出回っていないような印象です。生産終了する製品が相次いでいる一方で、それに代わる新しいモデルが出てきていないので、それほど数は出回ってないのかもしれません。ドイツでは何種類か新しいデザインのものが出ているようですが、どうも近年のデザインのテイストが日本人好みのものでないという判断からなのか、新しいデザインのものはほとんど日本に入ってきていないようです。日本にももう少しブラウン社の時計が入るといいのだけど…。
と思っていた矢先の2008年の春頃、ブラウンが時計の分野から撤退することを表明したとの知らせが舞い込みました…。生産終了、市場に出回っているものだけで終わりなそうな。ええ〜ッ! 驚きと落胆です。
いつか必ず再評価されるときが来て、ふたたびBraun時計が世に出回るときがくると信じてます。
なにはともあれ、このページに紹介したわが家のブラウン時計たちはこれからもずーっと使っていきたいものたちです。(2007年10月記, 2008年9月追加)
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